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「何読んでるの?」と聞かないで

おもしろい本と出会うことが私の生きる目的である

濃厚。『野心のすすめ』林真理子

生き方

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寸評:肉食系の考え方に影響を受けざるを得ない、濃厚な一品。

 

人生初の林真理子である。

私は読書の好き嫌いが多く、基本的に女性作家はあまり合わないと自覚している。できるだけたくさんの作品に触れたいし、それらを楽しみたいと思ってはいるのだが、合わないものは合わないのだから仕方ないだろう。

挑戦してみたら最高だった

ただそんなふうにしていつまでも「女性作家は合わん」と言っていても仕方ないので、たまには冒険している。

そして今回はたまたま林真理子だったわけだが、これが大当たりだった。

著者の林真理子はとにかく肉食である。自分の欲望に忠実である。

基本的に他人の欲望というのは不快なものと相場が決まっているが、これだけあけすけに己の醜い(と一般的にはされている)部分をさらけ出されると、醜いとは感じずに「アッパレ」と思ってしまう。そして、少々の羨ましさがある。

やはり普段読まないようなジャンルに手を出すことは大事だ。そこでどんな未知なる体験をできるかなんて分からないのだ。限られた人生である。挑戦はしてみるものだ。

欲望の扱い方

野心のすすめ (講談社現代新書)

林 真理子 講談社 2013-04-18
売り上げランキング : 6293
by ヨメレバ

「有名になりたい」「作家になりたい」「結婚したい」「子どもが欲しい」
――無理と言われた願望をすべて叶えてきた人気作家による「夢を実現させるヒント」。

「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、
やらなかったことの後悔は日々大きくなる」をモットーとする作家・林真理子
中学時代はいじめられっ子、その後もずっと怠け者だった自分が、
なぜ強い野心を持つ人間になったのか。
全敗した就職試験、電気コタツで震えたどん底時代を経て、
『ルンルンを買っておうちに帰ろう』での鮮烈なデビュー、その後のバッシングを振り返り、
野心まる出しだった過去の自分に少し赤面しながらも、“低め安定”の世の中にあえて「野心」の必要性を説く。

野心があろうがなかろうが関係はない。あれば進むべきだし、ないのなら満足すればいいだけだ。

厄介なのは上でも書いたように、欲望を持っていないように振る舞うことが上品とされていることである。それゆえに、自分の欲望をひた隠し、それを続けた末に自分の欲望が見えなくなっている人は多いのではないだろうか。

それは不幸なことだと思う。

欲望というのはその人を形作るものだ。それが生きる原動力になる。「何もいりません」と悟るのは、死ぬ間際ぐらいでいいのではないだろうか?

欲望には人を成長させる力がある。人を前進させる力がある。努力させる力がある。

欲望は扱い方によって、いろんな効能があるのだ。

悔しいと思えたら、野心の始まり 

本書の中で林真理子氏は「若いころの悔しい思いは買ってでもしろ」と書いている。

これが野心の始まりなのだ。

野心さえあれば人はどこまででも行ける。見たことのない景色を見せてくれるだろう。

欲望に忠実になることはときに苦しむを生むかもしれない。しかし、それに打ち勝ってこそ人は成長するのだ。成長が悪いものだと思っている人は少ないはずだ。

あなたを肉食にするかもしれない劇薬である。

もしかしたら胃もたれを起こすかもしれないが、たまにはこんなコッテリした作品を味わってみてはいかがだろうか。